プロテスタントの諸教派では、マルティン・ルターが聖書に根拠のない伝統をすべて廃そうとしたことに影響され、聖人という概念を廃止あるいは意味を変化させているところがほとんどである。
例えばある教派では死亡したすべての信徒に「聖人」(聖徒)という言葉があてられる。プロテスタント教派のなかでも、ルター派教会などでは聖人の概念をもち、信仰の模範としてとくに礼拝でとりあげ、洗礼名の根拠としたり、記念日を祝ったりするところがある。
聖人崇敬は現実の信仰生活のなかで行われるものであって、そこにはおのずと地方や時代の独自性が反映される。聖人のリストは世界で共通であるが、ある聖人とかかわりの深い地域では、その聖人はより重く崇敬される。そのような信仰生活の個別性は、個人や集団の守護聖人への信心に現れている。
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例えばラドネジの克肖者聖セルギイの記憶日はロシア正教会やその流れを汲む諸正教会では盛んに祝われるが、他の地域では聖セルギイの記憶日は最も重要な祭日であるとは認識されない。このような事情はブルガリア正教会の著名な聖人であるリラの克肖者イオアンなどについても同様の事が言える。
聖人の名をつけた地名は多い。聖人は各国語でセント、サン、サンタ、サント、サンクト等になるため、これらで始まる地名は概ね守護聖人の名が使われている。